運動パフォーマンスの向上を目的として、身体の機能的な能力(筋力・柔軟性・バランス等)を測定評価し、そこから得られた結果をプログラム化して、より優れたゴルフスイングへと反映させる。
①ゴルフフィジカルアセスメント(2011年10月~12月)
プロゴルファー及びアマチュアゴルファー対象(18~70歳 200人)
測定項目
1、握力(右・左) 2、肩外旋(右・左) 3、肩屈曲(右・左) 4、ランジ上体捻り(右・左) 5、SLR(右・左)
6、SLRからの下肢捻り(右・左) 7、プランク 8、片脚スクワット(右・左)
測定規定あり(1人あたり約20分)
それぞれ点数を設けて身体評価をする
測定項目とスイングとの比較
2・3・4の点数によりアドレスに違いがみられた。
2・3の点数の低い人はトップでの左肘の曲がりがみられた。
2・3の点数によりトップでの肩の回転に差がみられた。
6の点数により球筋に違いがみられた。(スライス・フック・ダフリ・トップ)
2・3・4・6の点数が低い人は左足つま先の開きが早い。
7・8の点数によりスコアの安定性がみられる。
2・3・4・6の点数によりフィニッシュの大きさの違いがみられた。
1を除く全ての点数が低い人はケガをしやすい傾向がある。
結果
ゴルファーを対象とした身体機能は年齢とともに低下する傾向が見られ、
特にスイング動作で重要な身体の捻り動作(股関節を含む)と体幹の安定性(固定力)で違いが見られた。
このことから見ても、身体トレーニングの指導においては、年齢・身体機能を考慮して指導すべきである。
②ゴルフ足圧重心移動測定機によるスイング中の重心移動(2000年~2003年)
プロゴルファー及びアマチュアゴルファー対象(約300人 内トーナメントプロ50人)
測定は左右の親指・小指・踵
左:プロ 右:アマ
結果
アドレス アマチュアは重心位置が左足に多くかかる。
バックスイング プロは初期の段階でかなり重心が右足に多くかかる。
トップ 円運動のため、プロは踵側・アマはつま先側に重心がかかる。
ダウンスイング アドレスの重心位置に近くなる。
インパクト 左足の小指側と踵側で約85~95%重心がかかる。(遠心力の影響)
フォロー さらに左の小指側・踵側へ重心移動
プロは重心移動を線で結ぶと半円に近くなる。
アマチュアは線が短く、2重になる。(スイング軌道を示す。)
プロは体重がインパクトで約倍になる。
アマチュアは逆に減る人が多かった。
③筋電図測定(スイング中の手の圧力、他) (2001年8月1日)
プロゴルファー及びアマチュアゴルファー対象(10人)
測定部位 (左手・前腕・上腕・肩・背部・腰・大腿部)
結果
アドレス時でプロは手に力がほとんど入っていないのに対して、アマは最初から力が入っている。
インパクトでは、プロはセンサーが切れるほど手の圧力が強かった。逆にアマは力がさほど入らない。
プロはインパクトの手前で、かなり手の力(圧力)が減少する。
左手のグローブの中にセンサーを入れて測定をしたが、何本か切れてしまい10人で実験中止。
④米国トレーニング・メンタル講習
二人のコーチを交えてアメリカでのトレーニング法、メンタルトレーニングについての対談